Shopify Paymentsで不正注文が起きた場合の対処法

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Shopifyで自社ECサイトを運営していると、時折不正注文の疑いのあるオーダーが発生します。不正注文の疑いがあると、のちほどチャージバックを起こされてしまう可能性が高くなります。

まだ不正注文を経験したことがないという方は、どう対応したらよいかわからず、不安になりますよね。

不正注文は高額である場合が多いので、キャンセルしたくないという気持ちになる場合がほとんど。では、キャンセルすべきなのか、すべきでないのか。あなたはどう思いますか?

不正注文に対応することは言うならば、こんな感じ※個人的な感想です笑。

「あなたはサーファーです。目の前に良い波が来ているけど、さっきその海にタイガーシャークが出現したらしいです。それでもあなたは海に入りますか?」

ということで、不正注文の疑いのあるオーダーが入った場合に、どう対処すべきなのかについてご紹介します。

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そもそも不正注文とは?

不正注文とは、一言でいえば「詐欺」です。

不正に取得したクレジットカードなどの情報を利用して、オンラインで決済を行います。クレジットカードの所有者からすれば、カード明細を見ると商品を購入した覚えのない請求があるので、当然不正利用としてクレジットカード会社に報告をします。

そうすると、事業者への支払いはクレジットカードによって強制的に取り消され、最悪の場合、商品代金はおろか、商品そのものまで奪い取られてしまうということになります。

これを「チャージバック」と言います。

このチャージバックを利用して、オンラインで詐欺を行う詐欺師たちが世界中に横行しています。

どんな商品が狙われやすいのか

不正注文は換金性が高いものを扱うショップが狙われやすいです。ブランド品や家電や時計といったものが狙われやすい傾向にあります。なぜならば、即換金が高いため。

詐欺をする人はクレジットカードを悪用し不正注文した商品を、現金に即換金します。そのため、価値が判定されにくい商品は詐欺にあいづらいと言えます。

Shopify Paymentsで不正注文が起きるとどうなるのか

Shopify Payments(クレジットカード)を利用して不正の疑いのある注文が入ると、このチャージバックを未然に防ぐために、Shopify側が警告を出してくれます。

では、実際にShopify Paymentsで不正注文が起きるとどんな風に表示されるのでしょうか。

オーダーに警告が表示される

不正注文

まずはこちら。Shopifyで個別のオーダー画面を開いたときの画像です。「不正注文のリスクが高いことが検出されました」という警告が赤い枠に囲まれた状態で表示されています。不正注文の疑いがあるオーダーが入った際は、こんな風に一目瞭然に分かるようになっています。

分析

さらに下のほうにスクロールしていくと、右側に「不正解析」という項目があるのですが、通常「低」を表示するメーターが「」を指していることがわかります。さらに、メーターの下に不正解析となった理由が箇条書きで記載されています。

Shopifyよりメールが届く

不正注文

同時に、Shopifyより[Shopify Risk Operations Support] High Risk Order On Your Shopify Account [Urgent]という件名のメールが届きます。

要約すると、「不正注文の可能性があるので、できれば注文をキャンセルしたほうがよいですよ」と記載されています。

また、チャージバックの可能性があるので、「90日の引当金が設定されます」と書かれていますね。つまり、3ヶ月は入金されないということです。

不正注文があった際に確認すべき9項目

不正注文かどうか確実に判別する方法はありません。ただし、以下の内容を確認することで、判断の正確性を高めることが可能です。

1.不正解析の内容の確認

不正解析

不正解析の「詳細を表示する」をクリックします。

指標

すると、このように決済に関する「指標」がまとめられています。

うちで運営しているこのサイトは海外向けのECサイトのため、ロケーションがイギリスになっています。具体的になにによって不正利用のリスクが高いと判断されているのかはわかりませんが、3枚のクレジットカードで決済を試みており、そのうちの2枚は住所の不一致により決済が弾かれていることがわかります。

2.IPアドレスの確認

ipアドレス

上記の「指標」からさらに下にスクロールしていくと、追加情報に「IPアドレス」が記載されています。IPアドレスとは、インターネット上の住所のようなものです。このIPアドレスから注文が行われた住所を特定することができます。

以下のサイトにIPアドレスを打ち込むことで、位置情報などの情報を調べることができます。

http://www.whatismyip.com/ip-tools/ip-address-lookup
http://www.ip2location.com

色々な情報を確認できるようですが、僕はよくわからないので、住所だけ確認をするようにしています。

3.コンバージョンの詳細の確認

コンバージョンのサマリー

注文の中に「コンバージョンのサマリー」という項目があります。

コンバージョンのサマリー

「コンバージョンの詳細を表示する」をクリックすることで、より詳細のデータを確認できます。

・どういった経路でサイトにアクセスしたのか(検索なのかメルマガなどからか)
・どの検索エンジンからアクセスしたのか(トラフィックを追跡できないDuckDuckgoなどの検索エンジン経由の場合はリスクが高まります)
・セッションが複数回あったのか(ほとんどの場合、初めてのアクセスでコンバージョンには至りません。セッションが一回しかない場合はリスクが高まります)

といった情報を確認できます。

4.高額商品かどうかの確認

price

たいていの場合、不正注文はショップの中でも高額な商品が狙われます。ですので、高額な商品の場合はより注意する必要があります。

逆に安価な商品だった場合は、とりあえず注文に対応してしまうというのも方法の1つかと思います。

5.請求先住所と配送先住所の確認

住所

請求先と配送先が同じかどうかも不正注文かどうか判断するのに重要な要素です。

この2つが異なる場合は、不正注文の可能性が高まります。Shopifyより不正注文のリスクの警告があり、請求先と配送先の住所が異なる場合はオーダーをキャンセルしたほうが賢明です。

6.Google Mapでで検索する

グーグルマップに住所を入力して検索してみるのも有効な方法です。

・住居と呼べるような家があるのか
・貧困層のエリアなのか

これらは、不正リスクかどうかを判別する要素の1つとなります。

7.直接電話をかける

注文の顧客情報に記載されている電話番号に直接電話をかけてみるというのも有効な方法です。

越境ECの場合はなかなか難しいですが、日本国内からの注文の場合は、まず電話で確認してみるのもオススメです。いや、というよりむしろ、必ず電話をかけるようにしたほうが良いでしょう。

電話が繋がらなければ不正リスクの可能性が高まります。もし電話に出た場合は個人情報を聞いてみてください。注文の情報と一致するかどうか、反応に違和感がなかったかどうかを確認してみましょう。

詐欺の場合は、登録された電話番号が適当に登録された電話番号であることが多いので、電話をかけてみて本人確認ができない場合がほとんどです。電話が繋がらなかったり、本人確認ができない場合はキャンセルするというオペレーションを僕の会社では取っています(高額商品の場合はすべて即キャンセルを推奨します)。

8.電話番号やメールアドレスを検索エンジンで検索

不正注文に利用されたこのある電話番号やメールアドレスは、他のECサイトの不正注文にも同じく利用されている可能性があります。その場合、検索エンジンに不正記録が残されている場合があります。

9.購入された商品は即金性が高いか

冒頭のほうで紹介したとおり、ブランド品などの即金性が高い商品が狙われやすいです。そのため、どんな商品が購入されたのかを見ることも不正注文を見抜くための要素の1つです。

不正注文防止アプリを利用する

一度不正注文だと判別した顧客は、Fraud Filterなどの不正注文防止アプリを利用することで、ブラックリストとして管理することができます。

しっかりとブラックリスト管理することで、トラブルを未然に防ぐことができるようになります。

インターネットの住所であるIPアドレスだけでもブラックリストに登録しておいたほうがよいでしょう。

結局はキャンセルしたほうが良い

以上、Shopifyでの不正注文について解説しました。

本記事で紹介したように、不正注文かどうか確認すべき項目はいくつかあります。

しかしながら、Shopifyより警告の入った不正注文のリスクのあるオーダーは基本的にはキャンセルすべきです。

理由として、「チャージバックのリスクが拭えない」というのと、「90日間資金が保留」されてしまうのが大きな理由です。

不正注文は高額になる場合が多いので、キャンセルしたくない気持ちも大いにわかります。ただし、高額であるからこそ、リスクが高くなるのも事実です。もし警告が出ているのにも関わらず商品を発送する場合は、これでもか!というぐらい徹底的に調べてから発送するようにしてください。梱包や発送した際の写真も撮っておくほうがよいでしょう。

「全額没収、商品奪取されてもしょうがない」

これぐらいの気持ちは持っておくべきかもしれませんね。

最初の例に答えるならば、

「もしサメに食べられて死んだらしょうがないよね。それだけいい波が来てるんだから。」

ちなみに、詐欺師たちは集団で行動しています。まずは安価な商品を狙って複数注文を行い、詐欺集団にこのお店はセキュリティ対策ができていなそうだと判断されると、徐々に高額商品を狙われてきます。こんな感じで数万円、数十万円するオーダーをどんどん入れてきます。そうすると、キャンセル処理対応などで時間も取られるので、「疑わしきは罰せず」ではなく、ハナから詐欺だと疑ってキャンセル処理したほうが良いです。従業員にオペレーションを任せている方はこの点しっかり共有しておいてください。

ということで、まだShopifyで不正注文に会ったことがないという方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。詐欺師にカモられないようにしましょう!

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