ネットショップのコンバージョンを左右する要素の1つにカートのボタンの色があります。
カートボタンは、商品ページからチェックアウトページまでを繋ぐ唯一の導線。
そのため、果たして何色が適切なのかと色々な場所で研究されてきわけですが、結局どの色がコンバージョンを上げるのに最適なんでしょうか?
僕自身、自社ECサイトのほうでどの色を選択するべきか今まで試行錯誤してきましたが、いまだに結論には至っていません。
ということで、本日は大手ショッピングサイトの実例をもとに、今一度カートボタンの最適な色について考察していきたいと思います!
大手ショッピングサイトのカートの色
まずは何事もリサーチということで、いくつかのショッピングサイトのカートボタンのカラーを調べてみました。
amazon
まずはアマゾンです。アマゾンの「カートに入れる」ボタンはイエローとオレンジの中間のような色ですね。そして、「いますぐ買う」ボタンにはオレンジ色を採用しています。
amazonのロゴにはオレンジ色が差し色として使われているので、サイトの統一感を持たせるためにカートにも同じ色が使われていると思います。
ヨドバシカメラ
続いては、ヨドバシカメラです。ヨドバシカメラのカートカラーは赤色。
ヨドバシカメラのロゴは赤色なので、こちらもまた統一感を持たせるために赤色を使っているように思います。
ビックカメラ
続いてビックカメラです。ビックカメラは明るめの緑色をカートボタンに採用しています。上記2つのサイトとは異なり、サイトのロゴと色を変えていますね。
会員メニューとカートのボタンに同じ色を採用することで、重要なボタンを緑色に統一してわかりやすくしています。
楽天
続いては楽天。楽天はアマゾンなどと同じく、Rakutenのロゴカラーである赤色をカートボタンにも採用しています。楽天はランディングページが商品によってだいぶ異なるからか、他のサイトに比べてごちゃごちゃしているイメージがありますが、検索ボックスやメニューにも赤色を使っているので重要なボタンがどこにあるかぱっと見わかりやすいですね。
また、こちらの画像のように追尾型のカートボタンが表示されるのも楽天の特徴と言えます。
ebay
続いては、ebayです。ebayのカートカラーには青色が使われています。ebayはリンクカラーもすべて青色なので、青色をサイトのテーマカラーにしていることがわかります。
また、カートボタンが画面右側ではなく画面中央に配置されているのもebayの特徴ですね。
ヤフオク
続いてヤフオク。ヤフオクにはオレンジ色のカートボタンが配置されています。プライスカラーと統一させているようですね。
ヤフオクのロゴの背景色は少しオレンジがかったイエローです。他のサイトに比べるとカートの色に統一感がありませんが、ヤフオクのカートカラーはオレンジだというのは個人的に印象に残っています。
他のサイトに比べるとカートのボタンの横幅が大きいことが影響しているのかもしれません。
BUYMA
続いてはBUYMAです。カートにはミントグリーンのようなカラーが採用されています。BUYMAはサイト全体的に上品な色使いをしているなという印象です。サイトの基本カラーは白黒で、プライスには赤、カートなどの重要なボタンにはグリーンが使われています。
赤色や緑色といっても、ビビッドな色ではなく、比較的落ち着いた色が使われているので、品のある女性をターゲットにしていると想像できますね。
ZOZOTOWN
続いてはZOZO。ZOZOのカートボタンには少しグレーがかった黒色のカラーが採用されています。
ただし、試しに商品をカートに追加してみると、レジへ進むボタンには明るめのボタンが採用されています。
また、以前カートに入れたアイテムの「カートに入れる」ボタンには同じく青色のボタンが使われていることがわかります。
ZOZOの特徴はバリエーションが多く、バリエーション毎にカートボタンが配置されていることです。ページ内にカートボタンが多いことから、カートに色がついているとおそらく気を取られる原因になるんでしょうね。
ユニクロ
続いてはUNIQLO。ロゴが赤色なので赤色のカートボタンを想像していたのですが、意外や意外、カートにはグレーが使われていました。また、カートも比較的下側に配置されています。ぱっと見、カートの位置がわかりにくい印象を受けました。
と思ったら、商品のサイズやカラーを選択してみると、カートの色が赤色に変わりました。やっぱり赤色でしたね。バリエーションを選択するとカートの色が変わるというのは他のサイトにはなかったので新鮮でした。
Louis Vuitton
続いてはルイヴィトン。ハイブランドの象徴的存在ですが、カートカラーにはブラックが採用されています。
サイト内で使われいているカラーが白と黒だけに統一されているので、高級感のある印象を受けます。また、ボタンや文字との間の余白を大きめに取っているからか、きつい印象を受けません。
色が与える心理的影響
色というのは人に心理的影響を与えています。よく聞くのは、ラーメン屋の看板やカウンターの色ですね。赤色は落ち着かない色のため、赤色を採用することでお店の回転率をあげることができるということらしいです。
では、それぞれの色はどんな心理的影響を与えているんでしょうか?
赤色
赤色は情熱を連想させる色。感情を引き立てるので、購買意欲を刺激してくれます。一方で、危険を表す色としても使われています。
青色
青色は青空や海を連想させ、見る人に爽やかさや落ち着きを与えます。誠実なイメージを表現したり、集中力を高めたいときに使われます。
緑色
緑色は自然を連想させ、見る人に安らぎと落ち着きを与えます。心身のバランスを整えリラックスさせてくれる、バランスを重視したカラーです。
黄色
太陽やひまわりを連想させる色。ポジティブな印象を与えてくれます。目立つため、危険を表すサインとしても使われています。
オレンジ色
太陽や火をイメージさせる色です。陽気な印象を与え、親しみやすい雰囲気を作るのに最適です。食欲をそそる色でもあります。バランスに優れた色です。
紫色
スピリチュアルなイメージを持つ色。欲求不満を表す色とも言われていますが、癒しを与えてくれる色です。高貴な印象でセレブやセラピストによく好まれます。
黒色
かっこいいイメージを与えてくれる色です。力強さや高級感を印象付けます。一方で、死や恐怖などダークなイメージを連想させる色でもあります。
白色
純潔さを表す色です。白のクリーンなイメージは相手に好感度を持たせます。誰からも好かれる無難な色と言えます。
カートの色選びのポイント
以上の内容を踏まえて、結局何色を選べばよいのかというところですが、
大まかには
・統一感
・高級感
・わかりやすさ
の3つの要素から色を選ぶべきでしょう。
高級なショップほど統一感と当然ですが高級感を優先しています。たしかに高級ショップで赤色のカートボタンが配置されていると押し売り感を感じてしまいます。
逆にシックなカラーを配置すると、ショップから余裕が感じられますが、商品に魅力がなければスルーされてしまうでしょう。
なにか商品を売り込む営業マンと似ていますね。
ということで、なんだよと言われてしまうかもしれませんが、結論としてどの色にすれば確実にコンバージョンが上がるというのはありません。商材によってカートの色は使い分けるべきと言えます。
アマゾンなどの総合ショッピングサイトではポジティブな印象を与える色を選択するのがベストです。一方で、高級品を取り扱うショップやクールな印象を与えたいショップでは、できるだけシックな色を採用するのがいいでしょう。
まとめ
以上、大手ショッピングサイトを参考にカートのボタンに何色を採用するべきか考察してみました。
サイトによって採用している色はバラバラでしたね。サイトのロゴカラーとカートボタンカラーを統一あるいは寄せているショップがほとんどでした。
カラー選びの前提として、まずは色が見る人に対してどんな心理的影響を与えるのかは理解しておくべきです。それを理解していないと、とんちんかんなカラーを配置してしまう可能性があります。
また、単なるコンバージョンという数値からの側面だけではなく、ECサイトのコンセプトやターゲットも考えて決めるべきと言えます。大げさかもしれませんが、カートのボタンカラーがブランディングにも影響しそうです。
一時的にコンバージョンが上がっても固定客が離れていく原因になるかもしれませんので、安易にカラーを変えることはしないでくださいね。
ということで、カートのボタンカラー選びに迷われている方は今回の記事をぜひ参考にしてみてください!